ナナマブイ

沖縄では「人の身体には7つの魂(マブイ)が宿っている」と言われているらしい。7つ揃えて身も心も軽〜く生きよう。

育てにくい子供のお父さん、お母さんへ。

我が家の長男は自閉症

次男と比べて考えても

それはもう超がつくほど育てにくい子でした。

 

旦那とは学生時代から5年間お付き合いをして結婚。

私達はお金もないし学もない。でも世界で一番好きな人を見つけて結婚できた。

幸せな未来しか待っていないと思い込んでいた20代の頃の私。

まさか自分が、障害児の親になるなんて思ってもみなかった。

 

毎日「ああ、今日もなんとか生きてる(私も子も)」その繰り返し。

 

 

◯歳児健診なんか

行く前からひっかかるのわかってる。  

 

案の定呼び出されて

「あの、うちの子自閉症じゃないかなって思ってるんです。

喋らないし、目が合わないし、抱っこ嫌がるし

1分1秒と目が離せないんです。1日中暴れて手がつけられなくて…もうどうしたら…」喋りながらポタポタ涙が落ちました。

 

「お母さん辛いね…。私たちは医師ではないから、障害名等を憶測だけで安易には言えないの。ごめんね。不安ですよね。」と申し訳無さそうに言う保健師さん。

 

帰り道、ママチャリの席で「キィイィイイイイイィィィィイイイアァァァアア!!!」って突然叫んで大暴れして

顔から地面にダイブした長男。

 

幸い脳や骨に異常はなかったけれど、怪我が治るまで見るも無残な顔に…

 

 

多動、パニック、癇癪…

…出先ではいつ何がおこるかわからない。

 

 

自閉症の子供は激しい「感覚過敏」を持っています。

うちの長男も、とくに聴覚過敏が強くて

苦手な音がすると自分の頭を叩きつけたり、グーでボコボコ殴ったりしました。

 

幼稚園時代の長男。聴覚過敏用のイヤーマフを着けている。

 

 

頻繁に起こるパニック・癇癪…

 

長男はパニックになると自分を噛んだり

 

私に噛みついたりした。

私の身体は全身息子の歯型だらけ…

 

 

身も心もボロボロで

当時は私も夫も余裕ゼロ。夫婦喧嘩なんか何度したかな。

数百回としたんじゃないかな。

 

 

 

私達夫婦は終わりだ。

子供もこれじゃあ、将来とんでもない人間になるかも。

人様の迷惑になる。

 

私たちなんかいないほうが良い。

子供と一緒に消えよう。

 

それも何度思ったことか。

 

 

年長時、幼稚園の文集に「将来の夢」を書く欄があった。

 

ケーキやさん、サッカー選手、ポケモンマスター、アイドル

 

いいなぁ

 

うちのこは

うちのこはまず「夢」なんて言葉のイミがわかんない。

 

「好きな事、なに?」って聞いたら「好キナコトナニ?」ってオウム返ししてくるだけ。

 

将来出来そうなことすら、親なのにわからない。

 

 

 

後で知りましたが

自閉症がテーマの有名な漫画「光とともに」で全く同じエピソードがありました。

当時泣きながら読んだものです。

 

希望いっぱいの元気な子供たちによる直筆の夢が並ぶ中

うちの息子の欄だけ私の字。

「これから見つけていきたいです。」

 

 

小学生になってからも相変わらず大変。

 

1年生の時には、預け先の放課後デイサービスで

暴れまくって壁に激突。

 

耳が、ちぎれました。

 

くっついたけど、今もあとは残ってます。

 

他にも語り尽くせないくらい色んな事があったけど

なんやかんやで、今年息子は10歳に。

私も障害児の親になって10年が経ちました。

 

 

正直今でも、大変です。

 

まだまだ手が付けられないほど暴れる日も…結構、あります。

↑ラグの下で暴れている図

 

 

5歳の時に「こんなに暴れるのって、いつまで続くんだろう」と思ったものですが

10歳現在、まだ続いてるよ。

 

育てにくい子供を持つお父さん、お母さん。

毎日、どれだけ苦しくて、孤独で大変か。私はわかります。

 

どう育ててよいかわからなくなったり、自分を責める日もありますよね。

 

私なんか間違いだらけでここまで来ました。

怒鳴りましたし、手も上げました。

 

自分の事、最低人間だと否定して…地の底まで落ちました。

 

それで酷いうつ状態になり、向精神薬に手を出して

もっとボロボロになりました。

このままじゃ危ないと思い、すべてのクスリを絶って早4年。

だんだんと、自分を取り戻してきました。

お陰様で2年前からようやく、働けるまでに復活しました。

 

 

最近思うんです。

この子が私の所に来たのには、やっぱり意味があるんじゃないかなって。

 

息子が障害児と呼ばれる立場になって

私は初めて「結局障害ってなに?」と考えるようになりました。

 

誰からみて「障害」?

 

彼らの方から世界を見たら、常識を押し付けられ

無理やり矯正され続けるこの世の中の方が「障害」かも。

 

長男のお陰で、当たり前が当たり前で無い事を知りました。

 

 

あんなに私に噛みついていた長男ですが、今はもう噛みつかなくなりました。

自分のことは、まだ噛んじゃうけど…

他害はなくなりました。

 

それから、あんなに喧嘩しまくった旦那と

だんだんと結束力が強まって、今や唯一無二の理解者。夫婦であり戦友のようになっています。

 

ずっとずっと「今のまま」じゃないよ。

必ず、少しずつ、色んな事が変わっていきます。

 

私もまだその道の途中。

絶望的な日があっても、今が全てじゃない。

きっと光が見えるよ。

 

 

今悩むどなたかの心が、少しでも軽くなりますように。

 

 

 

育てにくい子供のお母さんより。